~3~特Aクラスの魔物はゆらゆらとアースとアイに近付いて行った。一歩一歩進むたびに地震が起きているような錯覚に陥いる。 「特Aクラスの魔物なら図鑑に載っているたはず・・・・。」 必死でページをめくるアースにアイは冷たく言った。 「あんなの図鑑なぞ見なくてもわかる。牛鬼だ。」 それだけ言うとアイは自分の三倍はあろう牛鬼へとひるむことなく進んだ。 そして牛鬼に手の届く所まで近付くと牛鬼の足を本気で殴った。 「グアァァァァ―――!!!!!」 牛鬼はこの世の声とは思えない奇妙な声を出した。周りの空気がびりびり振るえ る。 「まだまだぁっ!」 アイの目はもはや牛鬼以外、何も見えてはいない。 その目はただの憎しみで出来る目ではなかった。 飢えた狼の様に、怒る龍の様に、そして憎悪を抱いた鬼の眼だった。 牛鬼の足は巨大なクレーターのようにへこんでいた。 「これで終わりだっ!」 アイは思い切り足を振り上げるとそのまま牛鬼の足へと力の限り蹴り入れた。 「グアァァァァァァァァ―――――――!!!!!!!」 骨折どころではない。アイが蹴った所から牛鬼の足が吹っ飛んだ。 つまり巨大な丸太のような牛鬼の足がアイの一蹴りで切断されてしまったのだ。 片足をなくした牛鬼はバランスを崩して倒れてしまった。 「死ね」 アイは一言、言うと背を向けた。 アイが離れると周りから魔物たちが身動きできない牛鬼を貪り食ってしまった。 「ア、アイ」 アースは、まだ気の立っているアイに恐々声をかけた。 「アース、ごめんな」 「?」 突然の言葉にアースは驚いた。 |